あやめ笠とは
水郷で有名な潮来では、古くから農作業には欠かせない必需品で日よけ、雨よけ、さらには悪事災難を避け常に身を守る笠として大切にされてきました。
昔は、婚礼の花嫁を迎える際、花嫁の頭に笠をかぶせて災難をよけ生涯夫婦仲良く幸せにとの願いを込めた行事も行われてきました。
しかし、近年は、帽子の普及に伴い需要が少なくなり、笠を編む人も全くいなくなりました。
あやめ笠の復活を遂げて
潮来市シルバー人材センターでは、災難を防ぎ幸せを招く郷土の民芸品の復活と、会員の長寿にあやかっていただくためにあやめ笠を伝承していくための組織を構成し、制作販売をしております。
毎年行われている「あやめまつり」においてあやめ笠の対面販売・実演を行っており、こういった活動が評価され、平成9年3月3日に茨城県郷土工芸品に指定されております。
あやめ笠の特徴
笠が広いため、日よけに適している
い草で編んでいるため、風が入って涼しい
非常に軽いため、かぶっていても疲れない
ゴルフ場のキャディさんの日よけ用や釣り人に人気で麻生の山車曳き祭りで踊りをするときにも活用されています。
あやめ笠の原材料
あやめ笠を制作する際に用いる原材料についてご紹介します。
い草
国産のい草を用いています。一本1m30cmくらいの長さです。
もと草
笠の大部分に使います。い草の比較的堅い根本の部分を用いています。
たし草
もと草で編んでいき、足りない部分に足していくためのい草です。い草の上部分をたし草として用います。
ぼっち
塩化ビニール製のパイプを用います。軽くてぼっちを作るのにちょうど良い大きさになります。
針金
笠のへりに巻くため、使います。笠自体がしっかりと頑丈になります。
ビニール紐
笠を編んでいくために使います。一つの紐を4分割してい草の束を一つひとつ編んでいきます。
あやめ笠の制作工程
あやめ笠の制作についてご紹介します。(各リンクより該当個所へ移動します。)
1.裁断
笠をつくる大きさに合わせてい草を切っていきます。
笠を作る大きさに合わせてい草の長さが決まっています。竹の端から端までがもと草用の長さ、竹の端から節までがたし草用の長さになります。
また、「大」、「中」の笠はい草を使う重さが決められています。もと草は大きいものだと110グラム、たし草は170グラム、中くらいのものだともと草は70グラム、たし草は120グラムになります。そのほかは適量を見ながら作っていきます。
2.もと草を取付
作る笠の大きさに合わせて切り揃えたもと草を台に取り付けます。
3.ボッチを作る
塩化ビニール性のパイプを入れて上部に突起を作ります。笠と頭の間に空間があり、蒸れなくなります。
4.編み込み
それぞれの束をまとめてビニール紐で5段半くらい編んでいきます。
5.たし草をする
1段目に足らない部分にたし草を入れていきます。笠の大きさに合わせてバランスよく足していかなければならないため、工程の中で一番難しい作業です。
6.針金通し
型に合わせてい草にしるしをつけて、その部分に針金を通して編んでいきます。
7.へり編み
へりの部分は三編みに編んでいきます。
8.紐付け
笠をかぶるための紐を付けていきます。
9.飾り付け・仕上げ
あやめの花や飾りを付けて完成です。
あやめ笠商品紹介
あやめ笠の商品をご案内します。
音色が心地よいあやめ笠に南部鉄を下げた風鈴が人気がありお土産品として好評を得ています。
風鈴付きあやめ笠(直径15センチ) |
花笠(直径24センチ) |
あやめ笠 小(直径23センチ) |
あやめ笠 中(直径35センチ) |
あやめ笠 大(直径43センチ)
あやめ笠制作団体概要
項目 | 内容 |
---|---|
団体名 | 潮来市シルバー人材センター |
代表者 | 今地 義之 |
所在地 | 茨城県潮来市辻765 |
連絡先 | TEL:0299-63-1213 FAX:0299-62-3788 |
メールアドレス | itako@itako-src.sakura.ne.jp |
ホームページURL | http://www.itako-sjc.sakura.ne.jp/ |