日本独特の『わびさび』石の歴史 真壁の歴史【茨城県郷土工芸品展】

 9月4日から7日まで開催の茨城県庁舎2階で行われた茨城県郷土工芸品展にて、真壁石燈籠の大関石材店・伝統工芸士の大関一利さんにお話伺ったので今回はそのレポートをお届けしようと思います。

 大関石材店さんは茨城県桜川市真壁町で灯籠・墓石の加工、建上・販売を営んでいます。

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 店頭では、通常の燈籠の他にコンパクトで置き場所にあまり困らない燈籠がありました。
大きいものよりもコンパクトなものがこのような展示会では売れているそうです。

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 灯籠を作るには有名なみかげ石を使うのが最も良く、筑波の赤みかげ、黒みかげ、四国の北木島の赤みかげ、岐阜の蛭川の赤みかげなどを大関石材店さんでは使っているそうです。
みかげ石は古代型灯籠との相性が良く、日本独特の『わびさび』を出すために古くから使われています。わびさびを出すため石燈はあえて艶を出さないそうです。

真壁町で灯籠・墓石の加工、建上・販売を営んでいます。燈籠,灯籠

 今回話を伺った伝統工芸士の大関一利さんは、中学を卒業してすぐ仕事を始めたので40年くらいだそうです。その前からも石屋さんの手伝いをしていたので、実際はもう少し長くなります。
一利さんが石職人になったきっかけは真壁の石が人気が高く、真壁の石屋さんは花形職だったので志したそうです。今は石職人になる人は少ないので、貴重な存在になってしまったということでした。

真壁石の特色

 ノミでの加工跡がよく出て、石の目が揃っていて加工しやすい石ですが、その分職人の息を吹き込みやすいそうです。職人の気持ちが伝わります。 また6000年前くらいから生成され、石質も高いと聞いています。キラキラした石英・雲母が多く含まれ墓石・燈籠にはもちろん、建築にも良いというお話でした。

真壁石の歴史

 関東の名山、筑波・加波・足尾の三山は良質な花崗岩を産出し、そのふもとにある真壁町や大和地区(旧大和村)の一帯は昔から石材の産地として知られてきました。 その良質な花崗岩が真壁石です。

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桜川市の石の百年館

 現在、「真壁石」と呼ばれている石は、茨城県の筑波山から、その北に連なる足尾山・加波山の一部から産出される 白系の花崗岩です。明治期までは主に「常陸小御影」と呼ばれていました。「真壁」の名は、この地に古くからある地名によるものです。しかし、「真壁石」と呼ばれる以前より、この一帯は石材の産地として知られていました。
石の利用の歴史も古く、桜川市には石器時代の遺跡が数多く発見され、様々な石器・石棺が出土しています。 その後、 金属文化の到来と共に生活用品としての石の利用は少なくなりましたが、寺院など公に使われる建物や、墓石・美術工芸に使われるようになりました。

編集後記

 大関石材店のこだわりは、燈籠に関して国産にこだわっているところで、燈籠を作ることに関しての熱い気持ちがこもっている石材店だとお話を聞いて感じることができました。
大きな燈籠が置けないようなお家でも、コンパクトな燈籠を置いてみてはいかがでしょうか!