イメージ画像

印鑑を押印する意味について

 保険に加入しようとした法子さんは、契約書類にシャチハタで押印しようとして、契約できませんでした。

 宅配便の受け取りや、新聞購読の契約時にはシャチハタですませているのに、なぜでしょう?

 博士(?)に訊いてみましょう・・・

押印する意味

法子:
 保険契約の申込書に印鑑を押す約束になっていたんですけど、あいにくシャチハタしか持ち合わせていなくて、契約できなかったんです…。
 博士、どうして申込書にはシャチハタじゃダメなんですか?

博士:
 法子さん、なぜ申込書に印鑑を押す必要があるか考えたことある?

法子:
 えっ!そういわれると…。
 今まで書類には印鑑を押すのが当たり前だとばかり思っていたから…。

博士:
 外国では、本人がサイン(自署)するのが当たり前だけど、
 日本では、「この文書は私が作成しました」ということを表わすために昔から印鑑を使っているんだ。
 だから、その後の取引で同じ印鑑を使っている人は、その文書を作成した本人に違いないだろう、ということになるよね。
 保険契約の申込書についても同じで、押印することにより、確かにお客様本人が保険加入の意思を表わしたという証になるんだ。

法子:
 なるほど、印鑑にはそういう意味があったんですね。
 でも、そのことと、シャチハタがダメなこととがどう関係してくるのかしら?

博士:
 シャチハタのようなスタンプ印は、短時間で大義に押印するような事務処理には適しているが、ゴムのような柔らかい素材で作られていて、印鑑の押し加減や長期間の使用によって、印影が微妙に変形してしまうという問題がある。
 保険会社の事務手続上、申込書に押された印影と、その後の保全手続で押された印影が一致しなくなってしまうようでは、本人かどうかを確認するのが難しくなって、保険会社としては困るよね。
 それに、全く同じ形のモノを他の人が入手しやすいというのも、本人確認の点では望ましくない。

実印と認印

法子:
 印鑑は、シャチハタ以外ならなんでもいいのですか?

博士:
 印鑑が実印と認印の二つに分けられることは知ってるかな?

法子:
 実印…?  車を購入する時に必要な印鑑ですよね。

博士:
 そう。実印というのは、区役所や市役所にあらかじめ自分の印として登録しておいて、必要に応じて印鑑証明書の交付を受けられるものをいうんだ。
 印鑑証明書は印鑑証明書上の印影が、区役所や市役所に登録されてある印鑑と同じであることを証明する。
 つまり、実印が押印されている文書は、印鑑証明書によって、「この文書は私が作成しました」ということを公的に証明できることになる。
 印鑑を重視する日本ならではの制度だといえるね。

法子:
 へえ~。じゃあ認印は、どういう印を指すのかしら?

博士:
 実印以外の印鑑のことを認印と呼ぶんだ。
 不動産を登記するときなどのように、法律で実印の押印を定めている場合以外には、実印と認印とで印鑑の効力には差がない。
 「この文書は私が作成しました」ということは、基本的には、自署によって明らかになるけど、実務的には、自署に加えて押印をすることで、より確実に本人確認ができるようにしているんだ。
 申込書に押す印鑑は実印であるにこしたことはないが、自署をしている以上、認印でも問題はないんだよ。

法人契約の場合

法子:
 法人契約の場合はどうなのかしら?
 「登録済の代表者印」を取り付けなければならないって聞いたんですけど。

博士:
 そうだね。法人の印鑑も、登録印とそれ以外の認印とに分けられる。
 法人の場合は、法人の登記をしている法務局に会社の代表者が使用する印として届出をしているものを登録印というんだ。

法子:
 法人の場合に、特に登録印を押さなくてはならないのはどうしてかしら?

博士:
 法人契約の場合、法人の契約締結行為や法人とのその後の保全手続の確実性を期するためにも、公的な証明を受けられる登録印を契約印として使うんだ。

法子:
 契約者名はどうなのかしら?
 代表者名はゴム印の使用もかまわないんですよね。

博士:
 法人は個人とは違って取引の機会も多く、取引の度に代表者の自署が必要となると取引がスムーズに進まないことになる。
 個人の場合は自署が大原則だが、法人と取引する場合には、ゴム印等による氏名の表記プラス登録印の押印で代替するというのが慣例になっているんだ。
 保険契約の申込書もこうした法人取引の慣例に沿っているといえるね。

法子:
 なるほど。法人として契約する場合には、登録印を押印することが重要なんですね。

契約印のポイント

  • 印鑑とは、契約が継続している間の本人確認の、要のひとつである。
  • 後々のトラブル防止のためにも、個人契的の場合の自署押印、法人契約の場合の登録印押印をおろそかにしないことが重要である。

 参考になりましたでしょうか?

mixiチェック このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録

関連記事 (カテゴリー:実務のお役立ち)

ただいまの特別オファー!


このページの先頭へ