部下指導や組織を率いて業務改善を果たすヒントがこのレポートにあります

事実を見通す知恵を生むために(報連相事例から)

“自分が大事”な現代に不可欠な
“組織感覚”緊急補強テーマ
組織の意識を高めるのは新総務発想の最大テーマ

レポートの趣旨とポイント

 今月のマネジメント・レポートは、《総務的発想の新戦略経営シリーズ》第4話として、“組織感覚”の重要性を改めて考え直すことにいたしました。

 それは、たとえば“ほうれんそう(報告・連絡・相談)”などの現場指導をしていると、『そんなものは“自分に”必要だとは思えない』と言われるケースが増えたからです。

 言わないまでも態度で示される時もあります。

 いつの間にか“ほうれんそう”は自分にではなく、“組織的な活動に欠かせない”のだという感覚が薄れているのかも知れません。

 そこで、本レポートをご用意いたしました。
 少しでもお役に立てば幸いです。

事実把握とは表面的な言葉に左右されないこと

 今月は“自分が大事”な現代に不可欠な“組織感覚”緊急補強テーマとして作成しましした。

 先月は、個々の人材に“社内他者”を意識させることで、組織の実感を高めようと呼びかけましたが、今月の指摘はもっと直接的なものになります。

 そしてその際の最大のキーワードは“事実把握”なのです。

 たとえば衣料品通販で“顧客が色が気に入らないため返品して来た”とします。
 すると、データベースには“色が気に入らず返品”と記載されるでしょう。

 しかし、それは事実でしょうか。

 それが事実かどうかを検証するには、知るべきことが残っています。

 仮に、顧客が同じデザインの色違いを要求してきたら、確かに色が気に入らなかったのでしょう。

 しかし、そうでないなら、顧客の返品理由は“とって付けたもの”である恐れもあります。

 商品全体が気に入らないのに、色だけを指摘したのかも知れないということです。

 あるいは、色は気に入っているのに、すでに持っている靴やコートとコーディネートできなかったのが返品要因のケースもあるでしょう。

 同じ“色が気に入らず返品”という言葉の背景には、想像以上に様々なケースが考えられるのです。

 そして裏にある様々なケースの中に事実があると考えなければ、決して“事実”は見えて来ないのです。

 人は面倒や嫌われることをいやがって“表面を取り繕う”からです。

 つまり事実把握とは“表面的な言葉に左右されない”ことでもあるわけです。

 逆に“疑う心”を忘れなければ、そこに必ず“事実を見通す知恵”が生まれると言うべきかも知れません。

今月のメッセージ

 “報告”“連絡”“相談”の“ほうれんそう”は、ビジネスの上でも非常に重要なはずです。

 ところがその“ほうれんそう”を推進しようとしても、従業員はなかなか経営陣の思い通りには動いてくれません。

 それどころか、組織内に“無用のほうれんそう”ばかりが増えて困るケースさえも出るのです。

 なぜなのでしょう? それが今月のテーマです。


このページの先頭へ