部下指導や組織を率いて業務改善を果たすヒントがこのレポートにあります

説明責任から感じ取ることができる不安の構造

意外なところで行き詰まる
『説明責任』っていったい何?
説明を求める本音の中に見える経営ポイント

今月の経営マネジメントレポートの趣旨とポイント

 今月のHMレポートは【改めて“ヒト”と“組織”を考えるシリーズ】第8号は、『説明責任っていったい何? 説明を求める本音の中に見える経営ポイント』として作成しています。

 今、様々な場面で説明責任という言葉が飛び出します。

 しかも、その責任の範囲は非常にあいまいでありながらも、無視された時に、責任追及側が感じ取る怒りは、決して小さくないのです。

 こうした社会風潮の中で、組織マネジメント上、何をどう考えておくべきなのでしょうか。

 実は、個別の対応策を探るばかりではなく、説明責任が叫ばれる根の部分に目を向ける必要がありそうなのです。

 直接的に説明責任を問われるのは、まだまだ、一部の政治家や不祥事を起こした企業に限られるようではあります。

 しかし説明責任を問う社会的風潮には、組織マネジメントとして、気を配っておくべき要素が読み取れるようにも思えるのです。

 そこで、身近な例から説明責任を求める心理的背景にスポットを当てた経営レポートをご用意致しました。

 本レポートの内容が、御社マネジメントに少しでもお役に立てば幸いです。

 以下で当経営マネジメント・レポートの一部をご紹介いたしましょう。

遅刻の理由説明から急発展した問題とは?

1》興味深いインターネットの記事

 『これ面白い』と総務部の担当者が部長に、インターネットの記事の印刷を持ってきました。

 中堅製造業A社での出来事です。

 その記事は、いわゆる『Q&A』で、誰かが質問を投稿し、それに複数の人が回答するという形で構成されるものです。

 面白い記事とは、『私は(会社への)欠勤や遅刻に、たとえば私用以上の理由は必要ないと思います。いつ休むか、どれだけ遅れるかが明確なら、理由があってもなくても同じでしょう。皆様はどう思いますか? あと、その理由も聞かせてください』

 というものでした。

 部長は4ページにわたる皆様のコメントを読みましたが、いったい何が面白いのか分かりません。

2》何が面白いのか?

 しかたなく、『理由が必要だとか、いらないとか書いてあるけれど、皆、普通の意見だよね。何がそんなに面白いのかね』と、担当者に聞いたのです。

 笑っていた担当者は、急に真顔になって、『この質問者は、欠勤や遅刻に理由はいらないと言っていますが、皆の意見には理由を求めていますよね』と言い出しました。

 そして、『しかも、コメントを書いている人に、どう思うかの理由など必要ないって書いてある人がいないんです。』と言うのです。

3》理由がいらない理由が欲しい?

 確かに、欠勤や遅刻の理由が必要かどうかの質問に、質問者自身が“なぜそう思うかの理由”を求め、多くの人が、特に迷う風もなく、自分の見解の理由を述べているというのは、面白いというか奇妙なことです。

 そして『ほら、結局“理由”が必要なんですよ。何にでも…』と言う担当者の言葉に、総務部長はふと考え込んだのだそうです。

 そして、それが意外な展開につながって行きました。

案外重要なポジションを占める理由開示

1》理由は反射的に聞いてしまうもの・・

 確かに、総務部の担当者が朝『今日遅刻します』と電話してきたら、総務部長は『どうした?』と、理由を聞くでしょう。

 有給休暇の申請でも、比較的軽い気持ちで『旅行?』などと聞いてしまいます。

 どうしても知りたいという程の重さではありませんが、むしろ反射的に理由を聞くのが習慣のようになっているのかも知れません。

 そして『はい、ちょっと山に登ってきます!』などと答えられると、もうそれで会話は“終われる”わけです。

2》拒否されると異様に大きくなる不快感

 ところが、最近もあったそうですが、『理由が必要ですか?』という態度をとられると、非常に不快な気分になります。

 『ちょっと…』と言うだけで、それ以上話さない従業員にも、ビジネスマンとしての素養が欠けるなどと思ってしまいます。

 理由とは、いったい何なのでしょうか。

 総務部長は『お恥ずかしい話だけれど・・』と断りながら、ご家族の話を始めました。

3》その要因は疎外感?

 総務部長には、一人っ子の娘さんがおられますが、最近では口もきかないのだそうです。

 たとえば、帰宅が遅くなった夜に『どこへ行っていた?』と聞いても、『関係ない』としか答えません。

 それは単に反抗期だからだと思っていたのですが、奥様から非常に“厳しい?”指摘をされたのだそうです。

 それは、『K子(娘さん)が小さい頃、パパに何を聞いても答えてあげなかったからよ』ということです。

 確かに『なんで早く帰らないの?』『なぜ休日なのに仕事なの?』など、小さな“なぜ?”が段々うるさくなり、『大人になれば分かる』『仕方がない』などとしか言いませんでした。

 そして奥様は『子供は子供なりに、疎外感を感じていたんじゃないかしら?』と言うのです。

 ネット上の理由の話で、それを思い出したのです。

続きはレポートの中で

 この話は、次のように展開されていきます。

  • 説明責任問題でこじれてしまう時も・・
  • ポイントは説明相手の疎外感解消にある!
  • 求められるようになった経営の社内説明責任

 説明責任を追及してみると、コミュニケーションの根本問題を解き明かすことにも繋がりますが、そのヒントについて述べてあります。

 続きはレポートをダウンロードしてお楽しみ下さい。


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