真壁石燈籠
加波山の麓一帯で採掘された花崗岩が真壁石です。
真壁石には小目と中目があり、小目は石英、カリ長石、黒雲母などで生成され、その含有量と結晶の細かさの違いにより同じ真壁石でも色合いなどに違いが出ます。中目は小目石よりややグレー系の石で石質、用途などは小目石と同じです。
真壁石材協同組合
真壁石材協同組合では、伝統的な産業である石材業の振興発展をはかっています。
真壁石燈籠は伝統工芸品として平成7年4月に国指定となりました。その伝統工芸品を作り上げるのが伝統工芸士です。真壁石材協同組合さまでは伝統工芸士を統括・発展する役割を担っています。
真壁石材協同組合のアクセスマップ
根本石材店
- 真壁石材協同組合理事
- 真壁伝統工芸士会 会長
- 伝統工芸士
- 一級技能士 根本 忠
※左上の画像は江戸時代に作られた燈籠 |
後世に残るものを
真壁石はとても固く、壊さない限りは千年でも残ります。
自分の納得のいく作品を後世に残せるように制作しています。
理想のかたち
燈籠はカサや火袋・サオといったそれぞれの部品から成ります。部品を組み合わせたときに真価がわかるのです。
よくできたと思っても、何日、何週間と日がたつと直したい部分が出てくることがあります。そのため、製作期間は通常でも大きなものでは数か月かかりますが、納得のいく作品に仕上げるには更に時間がほしいと思います。
真壁石はとても固い石です。その固い石を庭に据えたときにやわらかく、気持ちのうるおいを与えてくれるものになるようにこだわりを持ってつくっています。
時代をつける
作りたての角があるような作品ではやわらかく見えません。風化することによって表面が丸くなります。その丸みを出すことによって庭に溶け込む燈籠になります。
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時代のついた燈籠を作るためには勉強も欠かせません。関西方面(奈良・京都・滋賀等)には古い石燈籠が多く現存しています。その本物を見て模作したりしながら自分のものにしていく、といったこともします。
10年後を想定
燈籠はすぐに売れるものではありません。展示会やホームページを見て問い合わせてくださるお客様、通りがかりで立ち寄って下さるお客様がその場で決めて購入することは多くはありません。いろんな石材店を見て、最終的に私の作品を選んで購入していただいています。
作り上げてすぐに売れないというのはとても苦しいものですが、10年、20年先の売れるまでの間に苔生したり、日々その作品を見つめて、より良いものになるようにしています。購入していただいて、庭に据えたときにお客様に満足していただけたときが一番嬉しいときです。
今後の挑戦
石造物の文化財を修復してみたいですね。全部割れていれば、本物と同じように摸作して作り上げます。古い部材と違う部材を組み合わせて作っていく場合もあります。他には割れたところをつないで修復します。真壁石を扱う技術をそういったことに生かしてみたいです。
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根本石材店の会社概要
項目 | 内容 |
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店舗名 | 根本石材店 |
代表者 | 根本 忠 |
所在地 | 茨城県桜川市真壁町羽鳥578-1 |
連絡先 | TEL・FAX 0296-55-0850 |
URL | http://www.fukiage-kobo.com/ |
小原石材店
- 真壁石材協同組合理事
- 伝統工芸士会相談役
- 伝統工芸士
- 一級技能士 小原 正
日本庭園に溶け込む作品
伝統的な真壁石燈籠を作るためには地元の真壁石を使っています。
固くて色が白いため、庭に置くと白色が浮いてしまいます。色としては庭には合わない場合があります。その時は着色する技術を用いて庭に合った色にして作ったりもします。
文化を残す工芸士
日本独自の文化である日本庭園をできる限り残していきたいと思っています。その庭を残したいと思ってもらえるような作品を作っていきたいです。
例えば、大きさも庭に合った大小さまざまなものを作製します。 先ほども話に出ましたが、色を付けたりの工夫もしています。
古代型燈籠
燈籠も様々な形がありますが、私は伝統的な古代型燈籠を作ることが多いです。庭には一番なじみやすい形ですし、ふっくらとした柔らかみがあります。私も好きで楽しんで作っています。
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小原石材店の会社概要
項目 | 内容 |
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店舗名 | 小原石材店 |
代表者 | 小原 正 |
所在地 | 茨城県桜川市真壁町桜井402-1 |
連絡先 | TEL・FAX 0296-55-0326 |
加藤石材
- 伝統工芸士
- 一級技能士 加藤 征一
60年作り続けています
中学を卒業してから、この家業について60年以上になります。伝統工芸士の方それぞれに特徴があり、得意な形があります。現在は仏像や野仏等も流行りとなっていますが、私は古い形の燈籠を特に好んで作っています。
燈籠の形は四角や八角等いろいろあります。形としては鎌倉時代の燈籠がいいとされています。日本の庭に合うのもこの形です。歴史としては、大名が茶室や庭を作るようになってから燈籠が普及し、その後、町民へと広がりました。侘び寂びがわかる日本人が庭に据える、その庭に合った燈籠を作ることが喜びですね。何百年も何千年も残るものを作るように心がけています。
今後の展望
真壁は日本の石材の三大産地の一つとなっています。伝統工芸品の中でも石燈籠というのは真壁・出雲の二つしかありません。その他は石工品として伝統工芸品に指定されています。真壁は石工品ではなく燈籠だけが指定されているので、これからも燈籠を作り続けていきたいと思っています。
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加藤石材の会社概要
項目 | 内容 |
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店舗名 | 加藤石材 |
代表者 | 加藤 幸彦 |
所在地 | 茨城県桜川市真壁町羽鳥979 |
連絡先 | TEL・FAX 0296-54-1346 |
URL | http://www.tourou.com/ |