旧柴沼家母屋で、今は観光・歴史館としてお土産を販売しております。

柴沼醤油醸造のご案内

旧柴沼家母屋で、今は観光・歴史館としてお土産を販売しております。

 柴沼醤油醸造株式会社は、歴史ある商都土浦市と日本を代表する化学技術研究都市つくば市のちょうど中間にあります。元禄元年(1688年)の創業以来320余年にわたるこの地での営みの中から柴沼醤油の色、味、香りが生まれました。創業から現在まで江戸・明治・大正時代の木桶で未だに醤油を醸造し、昔ながらの本物の味・香り・コク・切れを兼ね備えた醤油を一貫して製造・販売をしてます。古きを大事に新しい事にもチャレンジする老舗でありながら社員平均年齢31歳と若い企業です。

土浦は関東の醤油の三大名醸地

 江戸時代も明和2年(1765年)頃になると土浦では、醤油醸造が更に盛んに行なわれており、中でも柴沼家を含む有力な19軒の醤油醸造家が醤油仲間の組合を作って価格や生産量を決め、江戸に高瀬船で搬送していました。

昔の輸送手段は、醤油は高瀬船で搬送していました。

 醤油のことを「御下地 おしたじ」ともいうのは常陸の国(現在の茨城県)で生産された醤油が美味しく評判がよかったので「常陸(ひたち)の国の醤油」、「お常陸 おひたち」が転化したものと言われています。

 又、醤油の異称「紫 むらさき」は筑波山の雅名「紫峰」「紫山」を語源とする説がこの地方では有力です。江戸から明治にかけての土浦が野田、銚子と共に関東の醤油の三大名醸地と称されたことの証です。

江戸時代に書かれた、柴沼醤油醸造工場配置方位図です。

【ペリーが乗った黒船が来航した前年の1852年に書かれた柴沼醤油の工場配置方位図。柴沼醤油の母屋に飾られています。】

 土浦にほど近い筑波山周辺は、醤油の原料となる良質の大豆・小麦が採れ、これを原料として造られた醤油は江戸にも運ばれ「ひたちのもの」と呼ばれ珍重されておりました。

柴沼醤油のこだわりは木樽

 1688年の創業当時から現在まで木樽で醤油を醸造しています。
古い蔵や木桶に棲みつく様々な種類の菌の働きこそが当社の醤油醸造においては重要であり、「柴沼の醤油」の個性の源となっています。

 江戸・明治・大正時代からの蔵に住みついた酵母菌が諸味の中で発酵・熟成を繰り返すことで生まれる、独特の「旨味」「コク味」「風味」が味わえます。
 現在は木樽のなかにポンプで空気を入れてかき混ぜています。仕込みをしてから約半年で圧搾を行います。

柴沼醤油醸造の木樽です。100年前、200年前の木樽があります。

【木樽は明治・大正時代に造られたものが多いが、江戸時代からずっと使われている木樽も】

柴沼醤油醸造の醤油樽です。100年前、200年前の木樽もあります。
【木樽の深さは2mほど】

生醤油を絞り出す圧搾

 熟成した諸味を搾って生醤油を取り出すことを「圧搾」とといいます。諸味はドロドロの状態なので、風呂敷タイプの布(ろ布)にもろみを包み込み、積み重ねて搾っていきます。ろ布で包まれた「諸味」を積み重ねていくと、「諸味」自身の重みで「生醤油」が搾り出されてきます。その後、圧量をかけてさらに搾りだします。

生醤油を絞り出す圧搾その1

生醤油を絞り出す圧搾その2

生醤油を絞り出す圧搾その3

生醤油を絞り出す圧搾その4

 柴沼醤油醸造では絞り切ったしょうゆ粕は、創業当時は燃やしていましたが、塩分を含んでいて黒い煙が出てしまうので現在は自然にも考慮し、飼料として酪農家さんに買い取っていただいています。

柴沼醤油醸造の商品

紫峰

柴沼醤油醸造の人気商品、紫峰です。

 柴沼醤油醸造のもっともポピュラーな商品です。鰹の一番だしにこんぶやみりん等を加えた家庭でも料亭のお醤油が味わえます。伝統の蔵出し木桶熟成生醤油に、厳選されたかつおだしを加えて味を調えました。つけ醤油、かけ醤油に最適です。


紫峰の滴

柴沼醤油醸造の紫峰の滴です。

 江戸・明治・大正時代からの蔵に住みついた酵母菌がもろみの中で発酵・熟成を繰り返すことで生まれる、独特の旨味、コク味、風味が味わえます。火入れせず独自の製法で濾過した生醤油です。醤油本来の香りと豊かな味わいが素材の味を一層引き立てます。木桶仕込み濃口生醤油です。


お常陸

柴沼醤油醸造のお常陸です。優良ふるさと食品中央コンクールで、最高位の農林水産大臣賞を「お常陸」が茨城県で初めて受賞しました。

 茨城県産大豆と小麦のみを原料として、現存する明治初期の蔵の諸味用木桶で約一年かけてゆっくり熟成させました。仕込み塩の「伯方の塩」以外は何も加えない搾りたて生醤油へのこだわりは醸造工程へのこだわりでもあります。 加熱殺菌をせずセラミック濾過による除菌処理や専用のクリーンブースでの無菌充填などの新技術により生醤油本来のやわらかな色、すっきりとした味、ふくよかな香りをそのままご家庭へお届けしております。
 食品産業センター主催の「平成23年度優良ふるさと食品中央コンクール」で最高位の農林水産大臣賞をお常陸が茨城県で初めて受賞しました。

日本の本物の味を世界に発信

柴沼醤油醸造株式会社の柴沼秀篤製造本部長です。
製造本部長の柴沼秀篤

 「世界に本物の和食の味を普及するために4年前から海外輸出展開を始め、現在20カ国直接訪問して柴沼醤油を取り扱っていただいています。海外展開の更なる拡大を目指しています。」

 「嬉しかったことは、ほとんど語学力がないなかで豪州に渡り現地の商社と1軒1軒の現地のレストランを回って、試飲をしたり商品の説明をして歩いて、現地の商社もレストランのオーナーやシェフも本当に暖かく私を迎えてくれて協力してくれた事です。」

柴沼醤油醸造の動画

会社概要

項目内容
会社名柴沼醤油醸造株式会社
代表者柴沼和代
所在地茨城県土浦市虫掛町374
連絡先TEL:029-821-2400
FAX:029-823-5033
ホームページhttp://www.shibanuma.com/
営業時間8:00~17:00
定休日土曜・日曜・祭日
従業員60名

アクセスマップ

柴沼醤油醸造株式会社

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取材編集者からの後記

学生時代テニスで茨城NO.1実力だった柴沼製造本部長

 今回取材させていただいた柴沼醤油醸造株式会社の製造本部長、柴沼秀篤氏は学生時代ずっとテニスに力を入れていて茨城県でNO.1の実力者でした。
 東京農業大学醸造化学科を卒業しました。学生時代、跡を継ぐことはレールに乗るような気がしていましたが、某食品メーカーに就職し柴沼醤油醸造株式会社を外から見たときにその歴史を再確認して、跡を継ぎたいと自ら考えるようになりました。
 入社当初が一番苦労したのは、昔ながらの職人や過去からなかなか変えられなかった組織や人や考え方を今の顧客にニーズや考え方や流れに合わせて会社としての方向性だけでなく、細部に渡って変革をさせなければならなかったそうです。
 「お客様を迎えるために清掃を徹底する」「訪問しに来てくださったお客様全員に挨拶をする」という当たり前のところから見つめ直し、老舗だからといってあぐらをかかずに地道に一軒ずつ営業をしけなければならないと仰っていました。江戸時代から続く柴沼醤油をぜひご賞味してみてはいかがでしょうか。

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