笑顔の食卓つくり(株)Tedy 林代表の講演【第3回い印経営塾】

株式会社Tedyの林俊秀代表を迎えた第3回い印経営塾

 6月23日(火)に開催された第3回い印経営塾は水戸市で年間250t~300tのパプリカを栽培している林俊秀代表を迎え、農業経営について講演していただきました。

 ページ上部では(株)Tedy 林代表の講演動画、ページ下部では講演内容をまとめたレポートとしてご報告致します。

(株)Tedy 林代表の講演動画

 以下の第3回い印経営塾 (株)Tedy 林代表の講演動画はYoutubeの限定公開にしています。Youtubeで検索しても見ることは出来ず、動画の視聴はこのページのみになります。

(株)tedy(茨城県水戸市のパプリカ栽培)の林代表の講演

講演後の(株)tedy林代表と参加者の質疑応答

(株)Tedy 林代表の『笑顔の食卓つくり』レポート

 今回の(株)Tedy 林代表の『笑顔の食卓つくり』を以下にまとめました。

パプリカ一筋の栽培と経営

 私は2000年から農業を始め、まだ15年の若輩です。ずっとパプリカだけを栽培して商売をしています。本日は、私がこれまでにやってきたことをお伝えいたします。

 パプリカの輸入量は2000年から右肩上がりで増えています。その時期に私はパプリカ栽培を始めました。農業大学を出たこともあり、農業にはずっと関心がありました。当時はオランダから1kgのパプリカを運ぶのに350円かかり、市場では600円や700円で出回っていました。値段が高価なので、パプリカはいけるのではないかと予想し、選びました。

 しかし、韓国の輸入量が急激に増加していき、市場での値段はだいぶ下がりました。当時は『しまった!やばい。』と思いました。

株式会社Tedyの林俊秀代表はスクリーンを使いパプリカ栽培について説明いただきました

【スクリーンを使い、自社のパプリカ栽培の経営について説明していただきました。】

環境制御と植物コントロール

 植物がどんなことを求めているかを絶えず観察し、ハウスの温度などは常に監視しています。太陽の光に合わせて水、肥料をどの程度与えればいいかを数字で見ています。数値による検証は、繰り返し繰り返し行い、改善につなげています。

株式会社Tedyのパプリカです。株式会社Tedyのパプリカ生産量では国内でも5本の指に入ります。

従業員の作業スピードを測定

 効果的な生産は、必要な時期に必要な人員を投入することですが、そのために、作業効率の計測も抜かり無く行っています。

 例えば脇芽をいかに減らすかに取り組んでいますが、その人毎に作業効率が違う作業スピードを計測して、個々人の力量を把握しています。そして作業効率を計算して人員を投入しています。必要な次期に適切な作業量を確保できるような運営が大切だと考えています。

株式会社Tedyでの芽かき作業の動画

銀行融資と補助金の利用

 独立開業当時、中古のハウスを購入しました。そのために銀行から資金をお借りしましたが、どうやって借りるか、借りる方法を銀行支店長に直接聞いてみました。最初は無理だと言われましたが、何度も足を運び対話を重ね、アドバイスを頂きました。経営計画書は書類1cm以上になった記憶があります。

 それと、補助金の獲得に動きました。役場の担当の方と4年ほどコミュニケーションを重ね、膨大な資料を作り、やっとの思いで補助金をいただきました。書類は本当に大変でした。風のウワサで「あいつは、1人で補助金を獲る」という声を聞いたときもありましたが、そのために努力を惜しまなかったことはご理解いただければ幸いです。

水戸市の株式会社Tedyの林俊秀代表です

従業員の働きやすい環境づくり

 韓国でパプリカ栽培が第一位の代表とお話したときの「目の前の問題を解決し続けてきて課題を潰していく。それをやらないと百姓から脱皮できない。」という言葉が印象に残っています。今は本当にその通りだと感じています。

 最終的な目標は経営者も従業員もみな一緒で、『高く売る、安く作る、利益が出る状態にする』ことなんだと思います。しかし、道筋・道程が違います。人それぞれやり方や考え方が違うからです。その差異を理解し、舵取りをしていく必要性を常々感じています。作業の感覚も人によって誤差が発生するので、『温度だったら1度、長さだったら10cm』という表現で必ず数字で伝えるようにしています。感覚の違いをきちんと埋めるためです。

 自分だったらこうするのになと思うことも多々ありますが、思うことを飲み込み、ぐっとこらえて従業員には接しています。従業員が働きやすい環境をつくるということが私の代表としての仕事だと感じています。

水戸市の株式会社Tedyの林俊秀代表を迎えた石岡市のい印グループ主催の農業経営者のための経営塾

講師プロフィール

林 俊秀氏  株式会社Tedy 代表取締役

年間100tのパプリカを生産している株式会社Tedy


茨城県水戸市。1963年、茨城県茨城町生まれ
玉川大学農学部を卒業後、茨城県経済連(現・JA全農いばらき)に入り、15年間勤務。
茨城県内の農協、農家に種子を供給する業務及び営農指導にあたる。

2000年に経済連を退職すると、水戸市花き園芸生産出荷組合に入り、パプリカ栽培を開始。
2004年にTedyに組織および名称変更し、同社代表取締役に就任。

80aのガラス温室で年間100tのパプリカを生産し、JA全農いばらきVFSのほか、量販店、生協などに出荷している。これまで冬春の作型のみであったが、現在新たな温室を増設。3倍の栽培面積に拡大して周年出荷を目指す。

(株)Tedy 様のホームページご案内

(株)Tedy 様の公式ホームページは以下のリンクからご覧できます。

【第4回経営塾開催予定】

  • 日時 平成27年7月28日(火)16時~
  • 場所 い印大会議室
  • 講師 社会保険労務士 菅野 哲正氏
  • 参加費 1,000円

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