酒造りの苦心と魅力そして七転び八起きの販路開拓
白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏の講演【第5回い印経営塾】

白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏を迎えた第5回い印経営塾

 9月26日(土)に開催された第5回い印経営塾は白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏を迎え、酒造りの苦心と魅力そして七転び八起きの販路開拓という内容で講演していただきました。

 ページ上部では白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏の講演動画、ページ下部では講演内容をまとめたレポートとしてご報告致します。

白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏による講演動画

 以下の第5回い印経営塾 白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏の講演動画はYoutubeの限定公開にしています。Youtubeで検索しても見ることは出来ず、動画の視聴はこのページのみになります。

酒造りの苦心と魅力、そして七転び八起きの販路開拓1

酒造りの苦心と魅力、そして七転び八起きの販路開拓2

い印【第5回経営塾】萩原会長開会挨拶『近江商人の三方良し』

酒造りの苦心と魅力そして七転び八起きの販路開拓のレポート

 今回の白菊酒造(株)の廣瀬慶之助氏による『酒造りの苦心と魅力そして七転び八起きの販路開拓』の講演レポートは以下にまとめました

仕事で感じた父の偉大さ

 大学時代の先輩に『実家が酒造なんだから酒の勉強をすれば』と言われ、先輩の酒屋でお店の配達など修行をさせていただきました。

 そのとき、実家では父の右腕の方が引退してしまい、父から手が足りないから帰ってこいと伝えられ、本心は帰りたくありませんでしたが、仕方なく実家に帰って稼業を手伝うことになりました。

 家庭での父は大変厳しく子供の頃から父の目を気にしながら生活していたので、本当に父が嫌でした。しかし、父と仕事を一緒にするにつれ徐々に尊敬するようになっていきました。

石岡市内の酒造と清酒業界の現状

 石岡市内の酒造が発展した理由は醸造に適した水と霞ヶ浦を利用した輸送ができた点です。昔はたくさんあった酒造も現在は石岡市内、当社含め4社の酒造のみが残っています。

 清酒業界に目を向けると、食文化の変化によって昭和50年3,000軒あった清酒製造業者は1,500軒以下に減ってしまっています。 時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、白菊酒造の出荷数量も平成元年60万リットルあったのが、年々減ってしまい現在は約10万リットルを切るほどになってしまいました。

石岡市高浜にある白菊酒造(株)の専務取締役の廣瀬慶之助氏

入社後5年間は酒造り

 最初の5年間は酒造りを勉強しました。最初の1年は、代表の倅ということで職人さんとの壁がありました。それではいけないと思い、職人さんと寝起きを共にして同じ窯の飯を食べ、裸の付き合いをするということをして徐々に職人さんが心を開いてくれました。

 酒造りは休みがなく、20代で体力はあるのですが、心身ともに厳しかったです。

やむを得ず行った従業員のリストラ

 会社の状況は、毎年毎年減産で金銭面で大変厳しかったです。経営面で私が初めにやった大きなことは、従業員のリストラでした。60歳以上の従業員のリストラでした。父の知り合いで私が子供のころから知っている地元の方をリストラすることは辛かったですが、会社をなんとかしなければならない、このままだと潰れてしまうと切迫感から最終的にリストラを決断しました。

設備投資とその資金について

 瓶詰ラインや醸造機械は以前は古いものをごまかしごまかし使っていましたが、それでは良い物ができませんので設備投資をしました。当然、設備投資にはお金がかかりましたが、県の中小企業振興公社、商工会議所、酒造組合、東京にある酒造組合の中央会に相談しにいき、融資にこぎつけられました。15年から20年にかけて毎月こつこつ返す計画でお金を借りました。

品質の向上の鍵は『原料米』

 どうすれば品質を良くできるのか、お酒造りのレベルアップを図れるか考えた結果、原料米を見つめ直すことから始めました。

 今までは、酒造組合に丸投げして希望を伝えればお米を入手できましたが、それでは品質にばらつきが出てしまうため、お酒造りに適したお米に拘りました。品質が良いお米であれば、惜しみなく買ってみましたが、それは高品質の大吟醸にと大きく影響がありました。

 現在は龍ヶ崎市の横田農場さんの一等米『ゆめひたち』を全量購入しています。お米を変えるだけで、ガラッとお酒の味が変わります。

 人間は菌の手助けをするような感じで、良い状態が確保できるようにすることしかありません。菌や酵母の種類を様々な試行錯誤を繰り返してきました。従来の味と代わるので苦心しました。良い味になれば評価されると考え、思い切って取り組みました。

従業員の若返りと意思疎通

 いろんな人と採用面接し様々な人がいました。1時間で辞めた人もいました。なかなか長く続けられる人に出会えませんでした。今ようやく各部署で戦力になってきました。意見を上げてくれる従業員に巡り会え、良かったと感謝しています。

 たった8人規模ですが、離れていたり時間がずれていると意見がずれていきます。意思の疎通がうまくいかないと仕事がうまく回らないことが多かったです。現在は従業員自ら業務に取り組んでもらい、上手く回ってきました。

長いトンネルをやっと抜ける

 平成26年は平成25年よりもプラスになり、今年の27年は26年よりも今のところ前年対比100%以上達成しています。やっと長いトンネルをやっと抜けたかなと感じています。

創業210年の節目 初の海外へ

 セミナーへの参加してどうしたら海外と取引できるか考えました。

 海外食品見本市への出展、ジェトロのジャパン市に参加、出展だけでは取引が始まりません。

 どういう人たちがいてどんな生活をしているのか知ろうと思い現地に行きました。呑んでもらって、それなりに呑んでもらえるもんだなと感じました。

 不安は沢山ありましたが、とにかくアクションを起こしてみました。通訳を通して出展会に来てくれた人達に積極的にアプローチしました。今年始めて出荷できました。今では、ベトナム、シンガポール、ドイツ、フランスにお酒を出荷することが出来ました。

ロンドンの国際食品見本に白菊酒造が出展した際の様子

直接取引のメリット・デメリット

 当社は直接取引を行っています。県内の酒造さんは国内商社を通じて行っています。

 国内商社を通すと契約上の事務の手間を請け負う必要がないので、マージンは少なくなりますが、非常に楽です。直接取引だと契約上の手間はかかり大変ですが、誰に飲んでもらっているのかわかるので、当社は直接取引を行っています。

アジアとEUの商戦

 アジアでの商売は親日のところも多くあり、ウェルカム状態でやりやすかったです。EUは距離があり、遠い島国から来たといったイメージで日本のものは浸透しておらず、デパートではアジアで一括り状態でした。

 商工会が行っている展示会は無料でやっており、海外にアピールするチャンスだと思うので、海外に販路拡大を考えている方は相談してみてはいかがでしょうか。

い印グループ 萩原会長挨拶

 近江商人の「三方良し」という言葉はご存知だと思いますが、本当にその通りだと痛感します。売り手よし、買い手よし、世間よしという意識で商売はしなければいけないと己の戒めにもなります。

 三方のうち、どこか一つ良くても続いていかないものです。三方良しでないと永く続いていかないものですね。生産者さんは、契約的な取引をしないと安定しないですし、完全相場制から振れ幅を少なくして安定供給は大きなテーマだとお察しします。相場と契約との狭間で難しい時期でもあり、その過渡期にあるのではないかと感じています。

 私たち市場人も三方良しを常に念頭において、業務に励みたいと考えております。

農業経営者のための経営塾を開催しているい印グループの萩原節夫会長

講師プロフィール

廣瀬慶之助

白菊酒造株式会社の専務取締役の廣瀬慶之助氏

白菊酒造株式会社 専務取締役

  • 茨城県石岡市 1972年生まれ
  • 東京農業大学卒

白菊酒造の経営理念

  • 地域に愛される酒造り
  • 白菊の伝統を守り続ける
  • 人を育てる

白菊酒造の主力商品

  • 白菊大吟醸
  • 紅梅一輪
  • 霞の里
  • 白梅
  • 柚子白菊

【第6回経営塾開催予定】

  • 日時 平成27年10月27日(火)17時~
  • 場所 い印大会議室
  • 講師 未定
  • 講演タイトル未定
  • 参加費 1,000円

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