真っ白な帆が息をのむほど美しい帆引き船
帆引き船とは
かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)の折本良平氏によって考案され、明治13年初めて霞ヶ浦に浮かびました。
自由に操れる帆引き網漁は、まさに画期的な漁法でしたが、昭和40年ごろからトロール漁にとって替わられ、まもなく姿を消しましたが、霞ヶ浦漁業の歴史を知る上で、極めて重要な文化的遺産であることから昭和46年に観光帆引き船として復活しました。
観光帆引き船としては、土浦市、かすみがうら市、行方市で運航しております。特別なイベント・行事があるときはパステルカラーの七色の帆引き船が操業することもあります。
出典:観光いばらき 観光帆引き船(行方市)
帆引き船の成り立ち
かすみがうら市(旧霞ヶ浦町)の折本良平氏がシラウオ漁を目的によって考案され、普通2~3隻の船を使い、20人以上の人手が必要でした。
帆引き船の発明を己の利益のみに固執することなく、多くの漁師たちに創業技術を教えていき、開発を重ねて20人以上必要だった舟が2人で操業できるようになり、漁民の暮らしを大いに安定させました。
出典:かすみがうら市観光帆引き船ガイダンス資料
帆引き網漁法の舟と帆
帆は一反木綿を三反ぬい合せ帆の一反とします。普通15~16反を用います。帆の一反の間は麻縄でからくり、強風に耐えるため四隅上下は丈夫にできています。観光帆引き船の帆はナイロン製です。
帆柱は孟宗竹で周囲45センチぐらいの太いもので、帆げたは孟宗竹で周囲30センチぐらいのものを二本先と先をあわせて用いています。
帆柱は舟底の「ちそうがん」にはめこみ、舟梁(A)と帆柱へつっかい棒で固定し、さらに「はず縄」で固定します。帆柱の頭に親せみ、帆げたに子ぜみをつけ帆網で帆をあげます。「ものぐさ縄」は舟の方向を変えるために用いる。一方の縄をひけば引いた方へまがります。急に方向を変えるときは帆足をまくります。
巨大な帆を引き上げ、風の強さに応じて、帆を調整しながら進むため、風が強すぎては、転覆の危険があり、風がなくては身動きができないといったような、霞ヶ浦の自然の摂理を利用して行うものです。「凧」の原理を応用し船を横に流して漁を行う、世界唯一の漁法です。
出典:かすみがうら市観光帆引き船ガイダンス資料
出典:かすみがうら市観光帆引き船ガイダンス資料
観光帆引き船漁の流れ
漁場へ向かう
漁場に向かうため、湖の風上に舟を移動させます。動力船以前の櫓(ろ)の時代には、風に逆らって漕いで行くため、大変な労力を必要としました。
網を降ろす
風に対し舟を横向きにして網を下ろします。
帆を上げる
船が風に流され始めたら、網とのバランスを取りながら、徐々に帆を上げていきます。この微妙なバランスは、帆の張り具合で調整していきます。
船を流す
観光帆引き船は風に従い、一定方向をほぼ真っ直ぐに航行しますが、以前は漁場を長い時間有効的に引くために船をジグザグに走らせることが多かったです。
網の回収
帆を降ろし、寄せ縄を使い5本の縄をまとめ、船を網の方に進めます。トタテの部分に網を上げます。
出典:観光いばらき 観光帆引き船(土浦市)
霞ヶ浦の概要
霞ヶ浦は日本で第2位の湖面積を持つ湖です。その流域面積は茨城県全体の1/3以上を占めており、遊覧船などのクルージングが楽しめます。観光帆引き船は主に夏に運航されています。
平均水深4mと浅く、ワカサギ、コイ、ハゼの他、最近では外来魚のブルーギル、ブラックバスも生息しており、釣り場としても有名です。
観光帆引き船インフォーメーション
土浦市
項目 | 内容 |
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問い合わせ先 | (一社)土浦市観光協会 TEL:029-824-2810 |
土浦市観光案内所 TEL:029-821-4166 | |
土浦市商工観光課所 TEL:029-826-1111(代) | |
乗り場 | 茨城県土浦市川口2丁目(土浦港) |
URL | http://www.tsuchiura-kankou.jp/ |
アクセスマップ
かすみがうら市
項目 | 内容 |
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問い合わせ先 | かすみがうら市観光協会 TEL:029-897-1111 |
駐車場 | 受付場所:歩崎公園自由広場 乗船場所:志戸崎漁港(歩崎公園地先) |
URL | http://www.kasumigaura-kankou.jp/ |
アクセスマップ
行方市
項目 | 内容 |
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問い合わせ先 | 行方市観光協会 TEL:080-8731-1772 |
駐車場 | 受付場所 [麻生地区]白帆の湯前駐車場内受付所 [玉造地区]道の駅「たまつくり」内 帆引き船事務所 |
URL | http://www.namekan.jp/ |