日本で唯一モビリティロボット実験特区になっているつくば市は、先端のロボット技術が集結しています。

ロボットの新しい未来のカタチがつくば市にあります

 現在の日本は、少子高齢化社会や労働力不足が問題になっています。そのような時代背景に合ったロボットの在り方が各企業・団体で考えられるようになりました。

 介護分野においては、介護者の腰痛問題等が指摘されており、日本の高度な水準のロボット技術を活用し、高齢者の自立支援や介護従事者の負担軽減が期待されています。

 つくば市に集う主なロボットとしては、高齢者や障害者の自立支援のためのパワースーツ・営業後に大型施設を巡回して掃除をしてくれるような移動作業ロボット・セグウェイが大人気の搭乗型(モビリティ)ロボット、心の治療として有効的とされている癒し・アンドロボットなどがあります。

平成27年2月11日に開催されたつくばロボットフェスティバルに参加した最新のロボットをご紹介します。

介護シーンで活躍が期待される介護補助ロボット

株式会社今仙技術研究所 電動簡易移乗機 「i-PAL」

株式会社今仙技術研究所が製造した車いすからの移乗が非常に楽になる電動簡易移乗機 「i-PAL」。

 車いすからの移乗が非常に楽になる電動簡易移乗機 「i-PAL」。女性、高齢者の方でも楽に介助ができます。そして、家の中での移動に便利で狭い廊下や部屋でもスイスイ動けます。

立ち上がりの際の本来の自然な立ち上がりに近づけ、パワーアシスト機能が抱き上げて、そのまま移動することができます。


脚力が弱くなった方々のための治療機器

サイバーダイン株式会社 HAL下肢用

サイバーダイン株式会社が製造したHALR下肢用

 身体を動かすとき、脳から筋肉へ神経を通してさまざまな信号が送られています。

 その信号は"生体電位信号"として、皮膚表面に漏れ出ています。HALR下肢用(NON-MEDICAL)は、装着者の"生体電位信号"を読み取り、それに応じて下肢を補助し、装着者自身の脚での歩行や立ち座りのトレーニングをアシストします。

 現在、日本国内に限りレンタルによるご契約を行っています。


大型施設で大活躍するお掃除ロボット

サイバーダイン株式会社 クリーンロボット

サイバーダイン株式会社が製造したお掃除ロボットのクリーンロボット

 クリーンロボットは、自走式でエレベーターを自動乗降し、事前に設定した複数のフロアを移動しながら清掃を行います。事前に指定した通りに作動する「ティーチングプレーバック方式」を取り入れ、簡単なボタン操作だけで無人の作業を可能にしました。

 深夜に稼働することで、清掃の効率化やコストの低減を図ることができます。

歩行に不安な高齢者をアシスト

RT.ワークス株式会社 電動歩行アシストカート

RT.ワークス株式会社が製造している電動歩行アシストカート

 電動アシストカートは歩行に少し不安のある高齢者の外出機会を増やして行動範囲を広げることで健康長寿でより豊かな生活を送っていただきたいとの思いで誕生しました。

 ハンドルを握って歩くだけの簡単操作で上り坂はアシストで楽に、下り坂は自動でブレーキがかかり安心して歩くことができます。

癒しや安らぎを与えるロボット

産業技術総合研究所 『パロ』

 病気になったときには体の痛みだけではなく、心にも苦しさや痛さを感じます。病気になったときには、「心の治療」も必要です。アニマルセラピーといって動物と触れ合うことによって安らぎが生まれると昨今注目されています。

 この『パロ』は体内にセンサーを取り付けていて触れられるのを感知したり自分の姿勢を知るための加速度センサ、音声センサ、光センサなどもついてます。『パロ』は人工知能をもっているのでいつも呼ばれる自分の名前を覚えたり、なでられて甘える声を出したりして安らぎを与えます。

産業技術総合研究所が製造している癒しや安らぎを与えるロボットの『パロ』

人間そっくりの見た目・動作のロボット

産業技術総合研究所 サイバネティックヒューマンHRP-4C 未夢

産業技術総合研究所が製造している人間そっくりの見た目・動作のロボットのサイバネティックヒューマンHRP-4C 未夢

 サイバネティックヒューマンHRP-4C 未夢は、リアルな頭部と日本人青年女性の平均体型を持つ人間型ロボットです。

 産業技術総合研究所で研究開発が行われてきた、二足歩行技術等のロボット基盤技術を集結し開発しました。HRP-4Cは慎重160cm、体重46kgで顔の表情が変えられます。これまでに、MC、ファッションモデル、歌手、女優、ダンサーとして活躍してきました。


日本で唯一セグウェイでの公道走行が可能なつくば市

搭乗型(モビリティ)ロボットのセグウェイ。日本で唯一セグウェイでの公道走行が可能なつくば市です。

 日本で唯一、セグウェイでの公道走行を許された地域・場所が茨城県つくば市です。

 平成23年、つくば市は日本で初めて『モビリティロボット実験特区』の認定を、内閣総理大臣から受けました。モビリティロボット実験特区とは、内閣府より2011年3月25日付で認定を受けた構造改革特別区域のひとつです。現在の法体系では一般歩道などの公道上で走行が認められていない搭乗型モビリティロボットを、公道上で実験的に走行させることができます。

 公道実験に参加するには、ロボット特区実証実験推進協議会に入会する必要があります。2011年6月2日にキックオフイベントが開催され、公道実験がスタートしました。【画像:wikipedia参照 】


セグウェイシティツアーinつくば

 日本では、唯一「モビリティロボット実験特区」の認定を受けているつくば市で、公道実験を実施している段階です。セグウェイツアーは多くの人につくばの街の魅力を伝え、つくばを好きになってもらうためのツールとしても注目されています。

 ツアーでは、研究学園都市らしい実物大ロケットの展示のある科学館「つくばエキスポセンター」や、緑豊かな景色や有名建築家が手掛けた建築物のある「松見公園」、つくば駅周辺などを巡ります。

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取材編集者からの後記

ロボットの街 つくばで最先端ロボットに触れて

 つくばロボットフェスティバルがつくば国際会議場で開催され、多くの家族連れや子どもたちで賑わいました。ロボットフェスティバルを楽しみにしていたという小学生は人気のAKBの曲に合わせて踊るロボットに目が釘付けで驚いていました。未来のロボット博士がこの中からたくさん生まれるかも知れません。未来の日本のカタチを見ることができました。最先端のロボット技術が終結しているつくば市からますます目が離せません。

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