
満足より“納得”を求めるマネジメント - 賃金の事例から
人事・労務の制度から組織問題を“逆”研究
満足より“納得”を求めるマネジメント
給与は“業務の対価”か“利益の分配”か
今月の経営マネジメントレポートの趣旨とポイント
今月のHMレポートは【 総務的発想の新戦略経営シリーズ11 】として、「人事・労務の制度から組織問題を“逆”研究 満足より“納得”を求めるマネジメント」として作成しています。
その話題の柱として、“給与”感覚をとり上げてみました。
しばしば『自分の給与は安過ぎる』と感じる従業員感覚と、『働き以上に給与を支払っている(給与ほどには働いてもらっていない)』という思いを持つ経営サイドの“ギャップ”が問題になることがあります。
それが、“トラブル”に発展した経験を持つ経営者も少なくないのではないでしょうか。
しかし、なぜ、そしてどのように従業員感覚と経営サイドの思いが“ズレ”てしまうかを捉えれば、問題の実態が見えやすくなり、対処法導入も容易になると考えます。
今月のテーマが、御社マネジメントに、少しでもお役に立てば幸いです。
満足と納得は似て異なるもの・・?
実は、マーケティングで言う“顧客満足”も、本来の意味での“満足”ではなく、『まあ、こんなものか』という顧客の“納得”を意味しますね。
例えば、外食する時、私たちは“価格との兼ね合いの上で満足(つまり納得)”するのであり、料理自体に、人として満足することを求めていないと思うのです。
社内の賃金には、もっと“納得要素”が多いでしょう。
会社が儲かっていない時は、給与が安くても納得できるから、賃金トラブルは起こりにくく、逆に、業績回復期に問題が生じやすいのは、賃金が“満足”ではなく“納得”の対象だからでしょう。
本来なら今が賃金体系見直し“必須“の時
その意味では、就労者の感覚がまだ“仕事確保”に留まっている“今のうち”に、社内の賃金体系を見直しておく必要が、どの会社にもあるということだと思います。
しかも、不況だから優秀な人を確保できる、とばかりに“既存の賃金体系を無視”した採用を行う企業も多く、将来のため、“納得の行く”制度再構築は、本来今が絶好のタイミングであるとも捉えられます。
そんな“先取り感覚”は多数派ではないのかも知れませんが、賃金制度気になる経営者は、検討を進めても良い気がします。
徐々に「セミナー」などでもも訴えて行きたいと思いますが、自社の人事・賃金制度に少しでも不安がある方は、遠慮なくご連絡していただきたいと思います。
今月のメッセージ
賃金制度、人事評価制度、就業規則、諸規定等、人事労務の制度や規定は、“当たり前のことをわざわざ難しくしている”印象を与えることがあります。
しかしながら、制度や規定は“現実の問題を解消する”ために複雑になってしまうケースが多いのです。
これを逆から捉えると、制度や規定を研究するだけで“現実問題解消ポイント”が見えるとも言えるのです。
そんな事例をご紹介します。