
学校教育に浸かった人材を管理者に育成する視点
ふさわしくない人材を管理者にしてしまった?
今考えるべき管理者“育成”視点
分譲マンション管理会社の“課長”秘話
今月の経営マネジメントレポートの趣旨とポイント
今月の経営マネジメント・レポートは、《総務的発想の新戦略経営シリーズ》第21話として、『ふさわしくない人材を管理者にしてしまった? 今考えるべき管理者“育成”視点』として作成しました。
“管理者選び”は、組織にとって“将来性”に大きく影響しかねない重要テーマですが、“管理者育成”は更に難しい経営課題だと言われることがあります。
確かに“管理者育成”は容易なテーマではありませんが、あまり難しく考えず“身近な視点”で取り組めば、案外“方向性”が見えやすい課題でもあるように感じるのです。
そこで今月は、主体性の無い若者を管理者としてした際のストーリーで、“管理者の問題とその育成視点”をテーマにしたマネジメント・レポートをご用意しました。
本レポートの内容が、御社マネジメントに少しでもお役に立てば幸いです。
以下で当経営マネジメント・レポートの一部をご紹介いたしましょう。
新任管理者の就任で顧客の“クレーム”が急増!
1》新任課長が起こした“騒動”
分譲マンションの住人が作る“管理組合”のサポートを引き受けるマンション管理会社があります。
マンションの管理組合から委託を受け、管理料・長期修繕積立金の徴収やマンション維持のための諸施策を“代行”する業務を行います。
そんな中堅のマンション管理業A社で、最近課長になったKさんがいました。
前任者が自己都合で辞めた後を受けたのですが、それがちょっとした“騒動”になったのです。
そして、一時は、
『管理者としての責任を取らせる(退職させる)』
とまでA社の社長を怒らせ、経営陣に“管理者のあり方”を考え直させる“機会”になったようでした。
今回はその“騒動”から見て行くことにいたしましょう。
2》顧客からの厳しいクレーム
“騒動”は、あるマンションで“自己破産者”が出たことから始まりました。
1戸の住人が、5ヵ月も管理料と長期修繕積立金に加え、駐車場代を“滞納”したまま自己破産していたのです。
その事実を、A社の社長は、顧客である“マンション管理組合理事長”からのクレームで知りました。
その内容は、
『滞納に御社の担当者が対応しない。責任者と話がしたい』
というもので、問題は“滞納”に留まらず、多岐に及ぶもののようでした。
つまり、“契約当初に約束された施設や機械のチェックができていない”という基本的なことまで含まれていたのです。
3》他にも問題が山積していた
実は、それ以外にも新任のK課長が担当する他のマンションでは、玄関の観葉植物が枯れてしまったとか、共有廊下の電球の取り換えが遅いとか、ゴミ置き場の清掃ができていないなど、問題が山積していたのです。
なぜK課長の担当物件に問題が集中しているのでしょうか。
ほどなく、経営陣にもその“原因”が明らかになります。
一口に言えば、K課長は“部下を叱れていない”のです。
それどころか、見当違いの“後始末”に奔走してばかりいました。
新任管理者の年代層は考え方がトンチンカン?
1》とりあえず“謝罪”してしまうK課長
担当者の不手際で問題が起きた際、K課長はその“問題の実態”を把握するのではなく、慌てて顧客への“謝罪”に走ってしまうのです。
事実を把握しないまま謝罪するものですから、たとえば、
『その場所は隔月に2人の担当者がチェックしています』
などと、苦し紛れの言い訳が先行してしまいます。
ところが、実際には、それは別の大型マンションのケースであり、問題があった先では“契約上のチェック項目にない問題”だったりするのです。
つまり『それは契約にはない事柄から生じたトラブルで、対応するには新たな(有料)契約が必要です』と言うべきところ、一方的に謝罪してしまうということです。
2》部下に対しても同様!
“事実”を確かめずに対応を急いでしまう性向は、対顧客ばかりではなく、部下に対しても同様でした。
たとえば、部下が遅刻しても、『病院に寄って来ました』と言うと、遅刻を免除(出社時間を書き変え)していたようなのです。
本当に病院に寄って来たかどうか分かりません。
『何の病気か聞いたのか?』と経営陣が問いただしても、
『いえ、そこまでは(確認していません)』と、K課長は見当違いの返事をします。
実は、冒頭の“自己破産者”についても、K課長は早期から、裁判所からの連絡で知っていたのです。
3》考え方自体がトンチンカン?
『なぜ、(顧客である)組合の理事長に報告しなかったのか』
と社長が問うと、
『(自己破産は)個人情報ですので(秘密にしていました)』
と、やはりトンチンカンな答が戻ってきます。
管理料などについては、組合は住人個人に対して“債権者”なのですから、当然黙っていてはいけません。
債権者には、自分の債権を守る権利があるからです。
そして、このあたりから、A社の社長は、
『ああ、不適格者を管理者にしてしまった』
という思いに襲われたのだと言います。
K課長の常識外れの行動で、会社も顧客も混乱してしまっているからです。
続きはレポートの中で
この話は、次のように展開されていきます。
- 管理者は探すのではなく育てるもの!
- 学校教育に慣れ親しんだ人材の“育成”視点
- 適任か不適任かを評価する前に考えるべきこと
今時の学校教育に慣れ親しんでしまった、主体性の無い若者を管理者として育てるための工夫について述べてあります。
続きはレポートをダウンロードしてお楽しみ下さい。