部下指導や組織を率いて業務改善を果たすヒントがこのレポートにあります

ルールを効果的に浸透・徹底させるポイント

暗黙の了解だけでは組織を運営できないが…
規則や制度を作るだけでも問題は残る
A社の経営者が痛感した組織運営の今風のあり方

今月の経営マネジメントレポートの趣旨とポイント

 今月のHMレポートは【総務的発想の新戦略経営シリーズ】に続く【改めて“ヒト”と“組織”を考えるシリーズ】第3号として、『暗黙の了解だけでは組織を運営できないが・・ 規則や制度を作るだけでも問題は残る』として作成しました。

 組織の隅々まで目が届かない、という理由ばかりではなく、昨今のように考え方や価値観が違う従業員が増える組織では、皆が納得するルールを決めて活動するのが基本であり当然だと言えます。

 ところが、その基本であり当然であるべき“ルール”が、機能しないばかりではなく、時々“逆効果”に働いてしまうこともあるのです。

 それは“一つの重要ポイント”を見逃すからに他なりません。

 その重要ポイントを、『面倒な組織運営をシンプルにする3視点』としてまとめてみました。

 規則や制度を導入するだけで、“運用”を考えない姿勢の弊害を捉えた話題です。

 本レポートの内容が、御社マネジメントに少しでもお役に立てば幸いです。

 以下で当経営マネジメント・レポートの一部をご紹介いたしましょう。

簡単な社内ルールが守られなくなる瞬間!

1》従業員の“残業時間管理”が混乱?

 一昨年の晩秋、冬用タイヤへの交換のため繁忙期を迎えたA社に、一つの“事件”が起きました。

 A社は、従業員20人の自動車整備業なのですが、一気に4人がインフルエンザで倒れたのです。

 ただでさえ忙しい時期に、A社は文字通り“てんてこ舞い”になりました。

 しかも、その際、目まぐるしく働いた従業員の“残業時間管理”が混乱してしまったのです。

 そこで、本題に入る前に、まずは“混乱”の様子から見ておくことに致しましょう。

2》タイムカードがあるではないか!

 もちろん“残業時間管理”は、従業員が“タイムカード”を押せば、起こりようもありません。

 しかし、非常事態には“普段ならあり得ない”ことが起きるものです。

 たとえば、従業員の急病で“態勢に余裕がない”中、夕方に“タイヤ交換”の自動車が持ち込まれるような時、社長はどうしても、もう帰ろうとしている従業員や、時には帰宅した従業員を呼び出すことがあります。

 しかも、いったん帰宅のタイムカードを押してしまった従業員は、『ちょっと、ちょっと』と呼びとめられた時、再びタイムカードを押すことはめったにありません。

 そのため、時には、その後数時間の“無記録残業”が発生してしまうわけです。

3》“温情”が必要な時もある?

 一方、出社時間帯に、事務所の電話が鳴っている場合などでは、事務員が“着がえる”暇もなく電話対応に追われる時があります。

 その際、しばしば“タイムカード”を押し忘れてしまいます。

 思い出した時は、記録上“遅刻”です。

 更に、長時間勤務が続くような時は、社長が思いやりで、『明日は(朝一番の仕事が入っていないから)遅くていいぞ』と遅刻を口頭で許容することがあります。

 ところが、それが総務担当者に伝わっておらず、“タイムカード”通り、遅刻扱いになることさえもあり得るのです。

従業員意識と経営者感覚との想像以上の温度差

1》自己申告を認めてしまった!

 そんな“記録”上の問題を一気に解決するためや、繁忙期によく働いた従業員に報いる意味で、A社は当然のように、残業時間の自己申告を認めました。

 つまり、タイムカード上は残業がないケースでも、本人が“働いた”と申告すれば、残業時間を計上するということです。

 ところが、この柔軟性が“やっかい”を引き起こします。

 たとえば、再三“不確かな”自己申請をする従業員に、総務部長が“申告却下”の判断を下した際、その従業員が、自分で記録した“残業時間ノート”を元に、社外の“支援者”を通じて、未払い残業代の請求を、内容証明郵便で起こしてきたりしたからです。

2》ややこしい自己主張に利用されるケースも…

 もちろん、それですぐに会社に責任が生じるわけではありませんが、社内は一時騒然としました。

 その従業員は、会社を辞めて実家の家業を継ぐ決心をしたらしく、退職に際して、主張できる権利を全部主張しておきたかったということだったと分かったのは、ずいぶん後のことでした。

 ただ、その従業員は“今年”の分だけではなく、過去2年にわたる未払い残業代を計算していました。

 しかもその際、“支援者”のコメントとして、タイムカード以外に自己申請を認める管理のあいまいさへの非難と、更には、タイムカード記載自体を経営者が妨害しているかのような指摘さえもがあったのです。

3》何が問題だったのか?

 もちろん“妨害”ではなく、繁忙期に起きがちな記載忘れに過ぎません。

 しかし“自己申請”に関しては、“基準があいまい”なために、定時以降に行う“勉強会や社内イベントの打ち合わせ”等を、残業として申請する人としない人の両方がいたのは事実です。

 そして、その従業員は、そんな勉強会等のグレーゾーンを含めて“未払い残業代”として請求してきたわけです。

 さて、ここでの最大の問題は何なのでしょうか。

続きはレポートの中で

 この話は、次のように展開されていきます。

  • 適切に運用されないルールは逆にやっかい!
  • ではマネジメントに社内ルールは不要なのか?
  • 面倒な組織運営をシンプルにする3視点

 ルールという決め事を効果的に浸透させ、徹底させていくためのヒントについて述べてあります。

 続きはレポートをダウンロードしてお楽しみ下さい。


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