部下指導や組織を率いて業務改善を果たすヒントがこのレポートにあります

ヒトではなく行為をほめて効果的に指導する

ほめ方を間違うとヒトは育たない
ヒトではなく行為をほめる!
従業員を効果的に指導するための重要実践視点

今月の経営マネジメントレポートの趣旨とポイント

 今月のHMレポートは【総務的発想の新戦略経営シリーズ】に続く【改めて“ヒト”と“組織”を考えるシリーズ】第4号として、『ほめ方を間違うとヒトは育たない ヒトではなく行為をほめる』として作成しています。

 本レポートを書き終えた瞬間に、当地でも震度5の地震があり、環境が一変してしまいました。

 地元が福島県いわき市でもあり、原発問題からは目が離せずにおります。

 そのため今読み返すと、多少自分でも温度の違いを感じてしまうのですが、平凡さへの敬意と帰依の趣旨からも、内容は変更しないことにしました。

 さて、現代では従業員の皆様も、複雑な状況の中で次の一歩を探せるような、具体的な指摘や指導を、経営者の皆様に求めているのでと推察します。

 ただ、従業員の行為を具体的に評価するためには、様々な観察が欠かせません。

 観察のためには、従業員の日常を知っておく必要があります。

 そのため、たとえば、業務日誌や定期面談、あるいは朝礼での顔合わせなど、ありふれた仕組みの活性が、改めて必要になってきているのかも知れません。

 本レポートの内容が、御社マネジメントに少しでもお役に立てば幸いです。

 以下で当経営マネジメント・レポートの一部をご紹介いたしましょう。

ほめると従業員は本当に伸びるのか?

1》ほめられて伸びるタイプ?

 少人数の経営コンサルティング企業を経営するA社長は、『私は“ほめられ”て伸びるタイプです』と言う人が、あまり好きではないのだそうです。

 しかも“ほめられ”て云々、と主張する人は様々な年代層に分散されており、『一種の社会現象になってしまったようなのが、また嫌だ』とおっしゃっていました。

 条件反射的に人の好き嫌いを判断してしまうのは問題かも知れませんが、急いで“問題視”してしまう前に、A社長の“主張”をお伺いしてみることにいたしました。

 そのご報告をさしあげるとともに、従業員への“接し方”の原点について、もう一度考え直してみたいと思います。

2》叱られることを嫌う従業員は伸びない?

 経営コンサルタントは、しばしば精神的にきつい仕事をするそうです。

 たとえば、経営者に利益改善指導を行うような場合には“実際の成果”が求められますし、その指導云々の前に、経営者の事業に対する理解が欠けるような時には、『そんなことも知らずに、高い料金をとるのか!』と“罵倒”されることもあるからです。

 そんな葛藤の中で、それでも冷静にコンサルティングを続けるには、A社長いわく、『叱られたくらいで意気消沈するような人材では務まらない』のだそうです。

3》経営コンサルティング業に限らず…

 経営コンサルタントに限らず、顧客や取引先等との厳しい“交渉”や“対応”に弱ければ、どんなに普段は優秀でも、現場の担当者や責任者として役に立たないかも知れません。

 たとえば、顧客の誤解によるクレームを受けて、反論もできずに泣いてしまう担当者は、自社の商品やサービスの“正当性”や“信頼”さえ守れないかも知れないからです。

 ただ、問題は“交渉”や“折衝”、あるいは厳しい状況での“強さ”が、従業員を“叱ること”や“ほめること”と、どう関係しているかということなのです。

叱って指導することに慣れ親しみ過ぎた?

1》叱ることが身に付き過ぎたA社長

 A社長は、コンサルタントである従業員が、クライアント(契約先の経営者)のクレーム等に対し、十分な説明もできずに帰社すると、非常に厳しく叱ります。

 それは、社長に叱られる方が顧客のクレームより怖いと感じると、従業員が顧客を怖がらないようになるからだそうです。

 それは、あたかも幕末の新撰組副長の土方歳三が、戦闘の最前線から逃げて来る隊員を容赦なく斬り捨てた話に似ています。

 隊員には、退いて鬼副長と対面するより、前へ進んで戦った方が生き延びる可能性があったわけです。

 確かに、鬼のように怖い副長の存在で、幕末当時、新撰組は大いに活躍できました。

 しかし、A社長には悩みが残ります。

2》従業員を一人前にしたいという親心

 A社長は、戦いに勝つというより、従業員を早く“一人前”にしてあげたいという思いで叱ります。

 昔流に言えば愛のムチそのものです。

 ところが、その愛のムチでは、従業員が育っているという実感どころか、定着率も非常に低いのが現実なのです。

 厳しい姿勢は、必ずしも成果を上げてはいないということです。

 そこでA社長は、様々な書籍を研究したそうです。

 著書は国内にとどまらず、アメリカやヨーロッパの翻訳書も読みました。

 そして、その中で、一つの大きな発見があったそうです。

3》しかしヒトを叱ってはいけない?

 A社長は『どの本だったか忘れた』と言われますし、それが本に書いてあったことかどうかも記憶が定かではないそうですが、『人を叱ってはいけない。その行為を叱れ』という言葉が、強烈な印象として頭に残ったと言われます。

 そして、その印象が、様々な出来事の中で、少しずつ現実化して行き、『行為を叱るって、こういうことだったのか』と思えるようになりました。

 『たぶん、目からウロコが落ちるっていうのはこういうことだろう』とA社長はおっしゃっていました。

続きはレポートの中で

 この話は、次のように展開されていきます。

  • 行為を叱って人を叱るなという言葉の真意
  • 行為を問題にするならほめることも効果的
  • 叱れないからほめるという発想からの脱却

 ヒトではなく行為を叱り、褒めるのは、平素の日常活動自体に、大きく依存しているということのヒントについて述べてあります。

 続きはレポートをダウンロードしてお楽しみ下さい。


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