茨城県フラワーパーク近くの味喜食堂さん(石岡市)
今回取材させていただいた味喜(みよし)さんは旧八郷町(現在は石岡市)のフルーツライン沿いで茨城県フラワーパークからすぐ近くのところにあります。駐車場からは隣接しているフラワーパークから今が見頃(取材時期5月)のバラを見ることが出来ます。
創業は1982年(昭和57年)フラワーパークが出来る以前からこの食堂を営んでいるそうです。今回は食堂の取材ということで美味しいご飯を頂けるかなと密かに期待しながらご主人とその奥さんに取材を始めました。
~味喜食堂~
インタビュアー尾坪(以下尾坪)
まず順番的には味喜さんがなぜ食堂を始めたのかお聞きするつもりでしたが、メニューを拝見させていただいたら急にお腹が空いてきたので人気のメニューから教えて頂きますか?(笑)
奥さん
すべてお勧めと言いたいところですが、初めて来られる方に人気なのはカツカレーですね。
サクサクした食感を出すためにお客さんから注文が入ってからロースのブロックを切ってからあげています。あと、カレーのほうはじっくり5~6時間ほど煮込んでそのあと一晩寝かすことによって味を凝縮させてコクを出しています。これは創業してから変わらずにやっていることなので、こだわりと言ったらこだわりですね。初めて食べられてそれからリピーターでずっとカツカレーしか注文されないというお客さんもいましたよ。
尾坪
創業32年間ずっと守り続けてきた味がカツカレーなんですね。
お話を聞いているだけでお腹が空いてきました。カツカレーは若い方に人気なのかなと勝手に想像しているんですが、味喜さんはどんな客層・年代が多いんですか?
奥さん
当店の客層は平日はサラリーマンが多く、休日は茨城県フラワーパークや筑波山に来られる観光客が多いですね。朝日トンネルが開通したので都内やつくば市へのアクセスもしやすくなったということで以前よりも休日は交通量が増えた気がします。
お客さんの年代は一概には言えないですが、ご年配の方に多く来て頂いています。
ご年配の方にはもちもちした食感のマグロ定食が人気ですよ。ゆっくりとした空間のなかでゆっくりお食事を楽しんでいただければ幸いです。
尾坪
旧八郷町のこの辺は筑波山の景色もいいし空気もおいしい気がしますね。都内でせわしく働いている方がゆっくり観光していただくには持ってこいですね!そして観光した際には味喜さんに是非寄っていただいて美味しいご飯を頂くという(笑)
ところで、この自然あふれる旧八郷町ならではのメニューとかはあるんですか?
奥さん
そうですね~
地元の素材をメインにしているメニューはないんですが、自分の家で小さい畑をやっていてそこで採れる野菜(ネギ・きゅうり・じゃがいも・ラディッシュ・カブ・ミニトマト)を料理に使うことはよくありますね。無農薬なのでなかなか畑の手入れは大変ですが、趣味の一環で主人がやっています。
朝一番採れた野菜をその日に調理してお客さんに提供するので新鮮だと思いますよ。
尾坪
それは素晴らしいですね!
お客さんもきっと喜びますよね。
味喜さんは季節限定のメニューがあるとちらっと噂で聞いたんですが、本当ですか?
奥さん
そうですね、天然きのこや山菜を使ったメニューが秋限定でやっています。
主人が取ってきたきのこ・山菜をたくさん入れたきのこ飯・そば・うどんは、毎年秋の季節になると都内から毎週駆けつけてくれる常連のお客さんがいるほど人気がありますね。
もともとは主人が趣味でやっていたきのこ・山菜取りが高じて生まれたので、創業当時はやっていなかったメニューです。天然きのこの直接販売もやっています。
尾坪
秋の天然きのこは絶品ですよね~
今は5月なので食べることが出来ないので非常に残念です...
個人的にそのシーズンにまたお邪魔させていただきます。
では、そのままの流れで主人にきのこについて語っていただいてもいいですか?
ご主人
ええ、きのこのことならいくらでも話しますよ(笑)
もともと自然が好きで35歳ぐらいできのこ採りに目覚めました。
やはり毒を含むきのこも多く存在するので最初は図鑑などで確認しながらきのこ採りを楽しんでいましたが、そのうちどの時期にどんな種類が採れるかということも気になって色々地元の人に教えてもらったりして知識を貯めていきました。
今ではきのこ採りしてきたお客さんや仲間にどのように調理方法すれば美味しく食べられるか聞かれることが多くなりました。
地元できのこ採りが好きな仲間で集まってサークルを作って、シーズンになると定休日はほぼその仲間と一緒にきのこ採りに出かけています。やはりきのこは気候や気温・湿度によって出方が全然違うので、あまり採れない日もあります。しかし、自分が採れないときにも仲間が多く採れたときは分けてくれたりするので非常に助かっています。
尾坪
きのこ採りへの並々ならぬ気概を感じます。
信頼できる仲間と一緒に趣味を分かち合えることは素晴らしいですね。
ご主人の座右の銘はありますか?
ご主人
座右の銘ですか~
ん~難しいな~
好きな言葉は明日やろうはバカ野郎ですね。その日に出来ることはその日に必ずやりきる。次の日に持ち込まないというのが自分のなかでいつも意識して仕事をしています。
尾坪
なるほど。自分もこれから意識していきたいなと思います。
今日は大変興味深いお話ありがとうございます。
取材後記(尾坪)
都会から最も近い大自然とも揶揄される石岡市の八郷地域ですが、大自然に抱かれるような雰囲気と近くにフラワーパークが存在する雰囲気は最高でした。味喜さんは、近くの方に伺うと、“秘密の隠れ家”と呼ばれる人気の食堂らしいです。
お客様に出す食事に対して厳しい姿勢で臨むご主人と、その傍らで愛情たっぷりに支えていそうな奥さんに取材をさせていただき、なるほど、味喜さんが秘密の隠れ家であることを実感しました。近くに行ったら、ぜひ寄っていただきたい食堂です。
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