小さな米粒一つひとつに匠の技を見た!水戸市の郷土工芸品「米粒人形」
9月4日から7日まで開催の茨城県庁舎2階で行われた茨城県郷土工芸品展にて
水戸市の「米粒人形」岡崎ゆき子さんに取材をさせていただきました。
米粒人形とは米1粒1粒に絵・文字を入念に描き入れられた人形のことです。米粒人形は平成9年に水戸市の郷土品認定を受け、平成15年に茨城県の郷土認定を受けたそうです。年数は37年以上も続けていらっしゃるそうです。
米粒人形を始めたきっかけ
米粒人形のルーツは常陸太田市西山の高橋都山先生が米粒に「南無妙法蓮華経」と書いて参拝者に配ったという故事を思い出して、米粒人形を考案、製作を始めました。
そして、岡崎ゆき子さんが23歳の時、常陸太田市にある西山荘の手前にある観光売店にパートで勤めていた頃に高橋都山先生に師事し、高橋先生亡き跡に米粒人形を継承されました。
茨城国体で爆発的人気に!
昭和49年の茨城国体があった頃に米粒人形を出したところ、全国から反響が殺到し、あっという間に人気を呼んだそうです。そこから米粒人形が茨城から全国に名が知れ渡ったそうです。
米粒人形の作り方
写真のようにお米を並べて毛先が非常に細い筆が描いていきます。この筆はメスキツネのお腹の毛を使っているそうです。この筆が一番うまく描けると岡崎さんはおっしゃっていました。さすが、匠は道具にもこだわりをもっています。
米粒人形を作るときは、顔と胴体を分けます。大体、顔はお米を横にしたものを使い、胴体は縦にしたものを使います。それぞれ絵具で線や色を付けて完成形を作ります。
自分も作ってみたら・・・
米粒人形のブースでは体験で自分で米粒人形を作ることができます。試しに自分の顔を描いてみたら、・・・
うーん、なかなか特徴をとらえているのではないかなと自分でも思いました。
顔と体を合わせてみて・・・
このような形になりました。最後に岡崎さんがちょんまげと刀を差してくださいました。
岡崎さんから「結構似てる」とおっしゃっていただきました。
米粒人形の作品集
編集者の後記
本当に小さな米粒一つに顔や衣装を描いていくのは集中力と根気強さが必要だと思います。岡崎さんも米粒に筆を入れているときは時を忘れてしまうとおっしゃっていました。また、米粒だけでなく、背景の絵も岡崎さんが描いているとのことでした。絵を入れることで味がでますからと岡崎さん。匠の技術とこだわりが生み出す作品のひとつだと思います。一度見たら、ずっとみていたくなるような米粒人形。伝統の米粒人形をこれからも守り続けてほしいと願うばかりであります。
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