まゆ殻が色鮮やかな生活道具に変身-結城市郷土工芸品「結城まゆ工芸」
9月4日から7日まで開催の茨城県庁舎2階で行われた茨城県郷土工芸品展にて
結城市の「結城まゆ工芸」市村まゆ工房の市村マツさんに取材をさせていただきました。
「結城まゆ工芸」は写真にあるまゆ殻を切って平らにし、それぞれ藍草や葉などで色を染めて作品を作っていきます。
まゆ工芸をつくるきっかけ
子供たちと鬼怒川にいき、コイ釣りの餌に繭のさなぎを使うということでたくさんの繭殻が捨ててあったそうです。もったいないということで持ち帰り財布を作ってみたらそれがなかなか良いものができ、それを知り合いの方に渡していくうちに注文を受けるようになり今から30年くらい前にお店を出すことにしたそうです。
ちょっとしたことがきっかけで今の工芸品が出来上がったのですね。
曲げても雨に濡れても大丈夫!
こちらはまゆ殻で作った帽子です。まゆ殻を引き延ばしてつなぎ目をミシンで縫い合わせていきます。
意外にもまゆの生地は頑丈で、折り曲げてもまったくしわが寄りません。雨に降られても水が漏れないそうです。
暖かいさわり心地で色合いも心を落ち着かせてくれる素敵な帽子でした。
市村さんの趣向を凝らした逸品の数々
他にも、色鮮やかな様々な帽子やカバンやペンケース
まゆ殻を引き延ばさず、そのまま用いて動物をモチーフにして作ったペン立てや小物入れなど普段の生活の中で活用できる品であふれていました。
編集者の後記
市村さんのアイディアと匠の技が光る、結城市の「結城まゆ工芸」はまゆ殻を捨てるのはもったいないから始まった茨城県の郷土工芸品です。結城地方での身近なまゆ殻を集めて生活の一部に利用されていらっしゃるのは地元ならではの特色ある工芸品だと思います。これからも伝統のまゆ工芸を世に残していていただきたいと願うばかりであります。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません