淡水真珠の生産量日本一の霞ヶ浦 養殖から加工販売まで行う明恒パール

9月4日から7日まで開催の茨城県庁舎2階で行われた茨城県郷土工芸品展にて、
淡水真珠の明恒パールさんにお話伺ったので今回はそのレポートをお届けしようと思います。

茨城県工芸品展の明恒パールのブース

養殖から加工販売まで行う明恒パール

茨城県内で淡水真珠の養殖から加工・販売までを一貫して行っている明恒パールさん。
昭和54年の創業以来、地元霞ヶ浦でゆっくり時間をかけて養殖した淡水パールを加工し、各種アクセサリーとして販売する淡水真珠専門店です。

地元霞ヶ浦で養殖した淡水パールを使った真珠のネックレス

ブースには様々な色、形の淡水真珠を使ったアクセサリーが並び、上品な輝きを放っていました。明恒パールさんの淡水真珠は、中心部まで真珠層なので黄色に変色しにくい・丈夫さと様々な色や形が特徴で粒の形も円形、楕円、涙型と一粒ひと粒違うそうです。

茨城県内の淡水真珠の養殖

日本国内で平成24年度に生産された淡水真珠の量は概数値で80kg。
そのうち69kgが茨城県の霞ヶ浦で作られています。(農林水産省発表「内水面漁業生産統計調査」から)
現在、流通している淡水パールのほとんどは養殖によって生産されて、日本では主に琵琶湖や霞ケ浦で養殖されています。
日本一の広さを誇る琵琶湖を遥かにしのぎ、淡水真珠の養殖は霞ヶ浦の独壇場です。

霞ヶ浦でイチョウガイやカラスガイなどを養殖している

淡水真珠の特徴について

淡水真珠も真珠の仲間であり、通常の真珠と呼ばれているものが海水生の貝にて創られるものに対して、イケチョウガイ(Freshwater Mussel)やカラスガイといった、淡水生の貝によって産みだされる真珠の総称として淡水パール(淡水真珠)と呼ばれる。

核がなく芯まで真珠層で出来ている淡水パールを使ったネックレス

海水パール対して、淡水パールは川や湖の棲息する池蝶貝を使って育てたものです。このパールは他のパールとは異なり、核がなく芯まで真珠層で出来ているため、大変丈夫です。現在流通している淡水パールはほとんど養殖です。

淡水パールは、災いをはね返す強い力がある石とされているそうです。持つ人の毎日を、幸せに過ごせるよう、環境を整えてくれる効果があるといわれています。淡水パールがネガティブなエネルギーを祓い、魅力を輝かせてくれるとされており、他にもさまざまな効果が期待されることから、パワーストーンとして扱っています。淡水パールは邪気を祓い、異性の心を惹きつけるパワーがあるので、恋の宝石として知られていて、結婚式などでもよく用いられています。

イケチョウガイの養殖の苦悩

養殖を始めようということで場所として選んだのが滋賀県の琵琶湖でしたが、環境の変化に対応出来ずに失敗の連続だったようです。
霞ヶ浦でようやく試行錯誤の末に養殖に成功しました。

霞ヶ浦で養殖した淡水パールを使った明恒パールのネックレスやイヤリング

現在霞ヶ浦には明恒パールの養殖場を含め、淡水真珠養殖場が8ヵ所あります。
環境の変化による影響を最小限に留めるため、霞ヶ浦に注ぐ新利根川、園部川、小野川の河口に作られているそうです。

編集後記

淡水真珠が霞ヶ浦で養殖されていること自体は知っていましたが、日本一の琵琶湖を遥かに越える生産量に驚きました。淡水真珠は中心部まで真珠層なので黄色に変色しにくい・丈夫である点が特徴なので茨城県のみならず、全国的に日本の工芸品として広く知れ渡ってほしいです。